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BSオープンで間近に見た B・デシャンボーの「ギア目線」のスイングとは?

10月19日、プロとして初来日&日本ツアー【ブリヂストンオープン】に出場するB・デシャンボー選手を練習日の水曜日に観てきました。
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2016年メジャートーナメント「マスターズ」でローアマを獲得しプロ入りした注目の若手選手。独自のバランス実験を行い、ブリヂストン『TOUR B330」ボールの高い製品クオリティを気に入り使用することに。これがきっかけになり同社ボール契約選手になった。今回はとして日本ツアーに初出場することになりました。

B・デシャンボー選手のスイングの特徴は、極太XLサイズの『ジャンボマックス』グリップが装着されたライ角73度の「ワンレングス」アイアンが有名ですが、ドライバーからパターまで全てひとつのスイングを目指した「ワンプレーン」という考え方。
初めからインパクトになるべく近いアドレスをするため、非常に手元を高く構える個性的な形。
アドレスに近いインパクトを訓練する発想ではなく、自分のインパクトにアドレスの形を合わせるという逆の発想は「奇抜なゴルフの科学者」らしい合理性とも言えます。この試合では、普段から抱えている背筋痛が悪化して初日の途中で棄権することになってしまいました。話は少し逸れてしまいますが、現場で見ていた印象としては彼の旺盛なサービス精神と豊富な練習量が長旅と重なり想像以上の疲労を生んでしまったと推測します。

手元の高いアドレスをするには、従来のライ角度のクラブではフラットすぎるためソールのヒール部分が浮き上がりフェースをまっすぐ向けることが難しくなります。彼のイメージするインパクトの手元の高さにアドレスを合わせた結果、現在の非常にアップライトなライ角のクラブを使うことなったというのが自然の見方でしょう。彼の考え方には、プロ入り以前に使用していた『イーデルゴルフ』ディビッド・イーデル氏の考えである「ゴルファー個々に合わせたフィッティング」の考え方の影響を強く受けているようです。もちろん、彼の長年のコーチであるマーク・シャイ氏から紹介された『ゴルフィングマシーン(ホーリー・ケリー著)』というエンジニア目線で見たスイング論を実践するためのことだったと思いますが。
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「ギア目線」でデシャンボー選手のスイングを見てみると、手元の高さはもちろん、頭の高さを保ちやすくカラダの上下動が少なくて済むメリットがあると言えます。逆に、手元を低く構えて打たなければ打てないクラブのデメリットは、アタマの高さやカラダの上下のギャップが生じやすい事だと言えます。

スイングだけで考えると、いわゆる「左一軸」スイングやウイークグリップ・ノーコックバックスイングなど「見た目の個性」や「形」の是非はありますが、誰でも実感できる明確な特長は手元やカラダ全体の「高さ管理のしやすさ」、もっと言えばダフリ・トップが出づらいことでしょう。『KBS C-テーパー115(X)』シャフトが装着されたアイアンは安定したショットの中で調整していましたが、ウッドは使用している「OBAN KIYOSHI』シャフトのしなりを大きく感じてタイミングがしっくりきていない様子で本人も「ドライバーが不安」とこぼしていました。日本の気候や自分の調子に合うスペックのシャフトがバッグの中にない様子で、何度も可変スリーブを取り替えながらドライバーショットを練習していました。
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PCM編集部では、以前デシャンボー選手が『イーデルゴルフ』使用時代のクラブを検証。限りなく近似したスペックのアイアンを製作し試打を行いました。超アップライトにもかかわらず意外とボールがつかまりすぎる事はなく、500gを超えるクラブ重量もあまり重く感じない不思議な体験をしました。通常のアイアンスイングで構えるとリーディングエッジが大きく地面から離れていますが、むしろダフりにくく「当たりやい」印象でした。超太グリップも手首の使いすぎや力みを自然に軽減するメリットが大きくミート率が高まりました。これは手元を高く構えて打っても同じで、自然とフェースターンの少ないアップライトなスイングをしたくなります。
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ブリヂストンオープンでは、現在コブラ契約で使用しているクラブを観察しました。ドライバーはヘッドやシャフトを色々テストしていました。アイアンは以前の使用シャフト「KBSツアーCテーパー130X」から同社の「Cテーパー115X」へ変更されていました。全体的に軽いヘッド・シャフトと太くて重いグリップを装着した独特のクラブバランス。彼のスイングに合った「インパクトで仕事をしすぎない」スペックになっていました。

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 ゴルフコーチ・クラフトマン・フィッターとして、数々のゴルフメディアに登場。 数多くのツアー選手をスランプから復活・優勝させた伝説のコーチ・後藤修氏の一番弟子。スイング論はもとより、クラブ計測にも深く精通しプロアマ問わずのべ7万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。自身でツアークラフトバスを所有する。  「PCM」「ALBA」「週刊パーゴルフ」「GOLF TODAY」などで執筆を行っているゴルフライターの猿場トール氏は従兄弟にあたる。
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